日本語吹き替え版と、西洋言語版を見比べると、吹き替え版のセリフは「日本人にしっくりくる創作」をしているんだな〜って気づけて面白い。
一番はケントの雰囲気作りがすごい!(セリフの変更が多い。)最初から最後まで、ずっと落ち着いている性格を演出してるのは日本語版だけ。トラブル発生しても冷静に対応。チェイスが逃げ出した時ですら、焦りはありつつも、大人しそうな声色。"元からそういう性格"であるかのようなムード。
西洋言語版のRyderに関しては結構やんちゃな感じのセリフが所々出てくる。
以下、特に「なるほど、ここを変えたのか」とよくわかるシーン4選。
①trafic jam(渋滞)のシーン
「are you kidding me!? come on! This is ridiculous」は、イライラを人にぶつけるような感じがある。日本語版では"自分が困っている"という状況を口にしているだけで、他の人に当たるようなセリフが変更されている。
②ケンドラがパウパトロールに通報をしたときのセリフ
「What is emergency!?(何が"緊急事態?"ですって!?/これを緊急事態と言わなかったらなんなのよ!って感じのセリフ)」は、ケントの「何か緊急事態?」に噛み付くような格好になってるけれど、日本語版では「大変よ、パウパトロール、…」と西洋言語版の直訳はしていない。
ケントが初対面の人に強い口調でなんやかんや言われるのをやめることで、間接的にケント本人をとりまく雰囲気全てが優しくなる演出だな〜と思う。
③セレモニー中の着信
西洋言語版では「マナーモードにしたと思ってたんだけど」とバツが悪そう。日本語版では「何か緊急事態かも」に変わってる。あえてケントに非があるような状況は作らない。
④ついでに、スカイのフライングヘリが大破したとき
西洋言語版ではスカイが「ライダーが私のヘリに保険をかけてくれてるといいんだけど」と言ってる。日本語版では保険という難しそうな言葉は出てこない。
尚、ケントとライバール市長の会話はほぼ直訳だった。これまでの二人の因縁があることが前提にあるから多少の問題では無かったんだろうな(笑)